Windows10仮想マシンをWindows11仮想マシンにアップグレード (8)

はじめに

今回で仮想マシンのWindows11アップグレードシリーズの最終回 第8回目です。
執筆現在2025年6月ですが、Windows10のサポート終了まであと4か月程度あります。
まだまだ時間は有りますので本シリーズの内容がWindows11への移行方法の一例としてお役に立てば幸いです。

また、今回の一連の検証で使用した仮想環境基盤 ProxmoxVE用のハードウェアをご検討の方は是非こちらからお問い合わせいただければ幸いです。

手順1:仮想マシンに Windowsの移行先の新規ターゲットディスク追加、パーティション作成
手順2: ソースディスク(既存のディスク)のプライマリパーティションのNTFS整合性チェック
手順3: 仮想マシンにTPMデバイスの追加
手順4: 仮想マシンにEFIディスクの追加
手順5: gpartedによる既存ディスクのプライマリパーティションをターゲットディスクにクローン
手順6: ターゲットディスクのプライマリパーティションのブート構成をEFIシステムパーティションに作成
手順7: ターゲットディスクからWindows10をUEFIブートで起動しディスクの管理からプライマリ領域の拡張を実行
手順8: Windows 11 インストール アシスタントを使用してアップグレード

手順8: Windows 11 インストール アシスタントを使用してアップグレード


前回までの作業でWindows11の動作要件を満たすWindows10仮想マシンの環境が整いました。

今回はWindows 11 インストール アシスタントを使ってWindows10からWindows11にアップグレードしていきます。

Windows 11 インストール アシスタントページにアクセスして「今すぐダウンロード」を押してダウンロードします。

ダウンロードしたらアイコンをダブルクリックして実行します。

同意してインストールをクリックします。

Windows11がダウンロードが開始されます。ここから2時間ほどダウンロードやインストールの時間が掛かりますのでウィンドウを最小化して放置します。画面に表示されている通り、そのままPCを使い続けても大丈夫ですが処理が進むと再起動やアップデート画面に入り操作ができなくなりますのでこまめなファイル保存をお勧めします。


Windows 11 インストール アシスタントの良い点は何の操作をしなくても自動で再起動などを行ってWindows11にアップグレードしてくれます。(帰りがけに実行すると翌朝にWindows11にアップグレードされてて便利でした。)
Windows11のISOファイルやインストールUSBを用いてアップグレードを行う方法もありますが、途中で操作が必要な場面もあり、作業の手離れの良さという面でWindows 11 インストール アシスタントを使用しました。

ある程度進むとこのような画面になります。(やることは無いです。待ちます。)

100%まで進むと下のような画面になります。

この状態で何も操作しないと30分ほどで勝手に再起動されアップグレード作業が開始されます。(今回は今すぐ再起動を押して手動で再起動しました。)

再起動されると下記のように黒画面でアップグレードが実行されます。(放置します。)

この後、少々目を離していた隙にWindows11にアップグレードされて自動的に起動されていました。

念のためきちんとアップグレードされたか各種情報の確認です。

Windows11 24H2 (winverコマンド)

回復パーティションの存在(ディスクの管理)


アップグレード時に自動で回復パーティションを作成してくれました。

これにて8回にわたってご紹介した「Windows10仮想マシンをWindows11仮想マシンにアップグレード」は完了です。
TPM、UEFIブート、SecureBoot、Cドライブの拡張、パーティションレイアウトなどの課題や障壁をクリアしながらアップグレードできました。

最後までご覧いただきましてありがとうございました。
引き続き本ブログをお楽しみください。


最後に

当社ではハードウェアをご購入の際にWindows10、Windows11を仮想マシンとして動作させる事が可能なProxmoxVEのインストールサービスを承っております。

VMwareESXiからもWindows10の移行を簡単に行えます。
https://blog.systemworks.co.jp/?p=2080

ProxmoxVEのHCIの環境構築サービスも始めました。
是非お気軽にお問い合わせください。
https://www.systemworks.co.jp/hci.php

Windows10仮想マシンをWindows11仮想マシンにアップグレード (7)

はじめに

前回の第6回から続きです。

今回の7回目はいよいよ新規ターゲットディスクからWindows10をUEFIブートします。

手順1:仮想マシンに Windowsの移行先の新規ターゲットディスク追加、パーティション作成
手順2: ソースディスク(既存のディスク)のプライマリパーティションのNTFS整合性チェック
手順3: 仮想マシンにTPMデバイスの追加
手順4: 仮想マシンにEFIディスクの追加
手順5: gpartedによる既存ディスクのプライマリパーティションをターゲットディスクにクローン
手順6: ターゲットディスクのプライマリパーティションのブート構成をEFIシステムパーティションに作成
手順7: ターゲットディスクからWindows10をUEFIブートで起動しディスクの管理からプライマリ領域の拡張を実行
手順8: Windows 11 インストール アシスタントを使用してアップグレード

手順7:ターゲットディスクからWindows10をUEFIブートで起動しディスクの管理からプライマリ領域の拡張を実行

まずは仮想マシンのハードウェア構成を変更します。ハードウェア構成の中のBIOSを選択して編集ボタンを押します。

編集:BIOSウインドウが表示されたらBIOS: OVMF(UEFI)を選択してOKを押します。

続いて仮想マシンのハードウェア構成から既存ディスクをデタッチします。下画面中のscsi0のハードディスクが既存ディスクです。選択してデタッチ ボタンを押します。これまでお世話になったlegacy起動のWindows10のディスクとはここでお別れです。

はい を選択します。

デタッチされたscsiディスクが未使用のディスク0となり、仮想マシンから外されて認識されない状態となりました。
未使用のディスク0はこの時点で削除は可能なのですが、すべての作業が完了し無事に稼働するまで一定期間はそのまま取っておきます。(確実に不要になったタイミングで削除してかまいません。)

ついでにCD/DVDドライブも不要なので削除しておきます。

新規ターゲットディスクからWindows10をUEFIブートさせるために仮想マシンのブート順でscsi1(新規ターゲットディスク)を1番に設定します。

下記の画像の様なハードウェア構成の状態で仮想マシンを起動します。

無事に設定がなされていれば、Windowsは起動するはずです。起動しましたでしょうか。

もしWindowsが起動した場合、Windows11の要件を満たしているか確認します。

現在本当にUEFIブート,Secureブート有効GPTパーティションディスクTPM有効になっているのかディスクの管理のプロパティ、Powershellのget-tpmコマンド結果、msinfo32のBIOSモードとセキュアブートの状態をチェックします。

確認した項目は下記の通りです。

  • ディスクの管理のプロパティ→パーティションのスタイル: GUIDパーティションテーブル(GPT)
  • msinfo32→BIOSモード: UEFI
  • msinfo32→セキュアブートの状態: 有効
  • get-tpmコマンド→TpmPresent :True

念のためMicrosoft謹製のPC正常性チェックアプリを実行して要件を満たしているか確認します。

Microsoftページ

Microsoft – PC正常性チェックアプリ

ダウンロード

https://aka.ms/GetPCHealthCheckApp

ダウンロードしてインストールしPC正常性チェックアプリを起動し今すぐチェックを押します。

無事に「このPCはWindows11の要件を満たしています」と表示されました。

これでWindows11へのアップグレードの要件をすべて満たしたWindows10が準備できました。(長かったですね。)

しかしまだ、アップグレード前にやり残したことがあります。
ディスク内のCボリュームを拡張です。
ディスク管理を開いてCドライブの上で右クリックしボリュームの拡張を選択します。

次へを押します。

ディスク領域(MB)を選択(E)を最大の値にして次へを押します。

完了ボタンを押します。

200GBのディスクの末尾までがCドライブと割り当たりました。

これでやっとWindows11の要件を満たし、かつ、Cドライブの容量を拡張できました。

ここまでの作業でやっとWindows11へのアップグレードを残すのみとなりました。

なお、このパーティションを見てお気づきの方もいらっしゃると思いますが現時点でディスクの末尾に回復パーティションが存在していません。ですが現段階では特に回復パーティションの作成は不要です。
回復パーティションはWindows11へのアップグレードを行うと自動で作成されます。
(ちなみに先頭から2番目にあるMSRパーティションはディスクの管理のグラフィカルユーザーインターフェイス上からは見えませんがdiskpartでは確認できます。)

手順7は以上です。

次回は最終回、Windows11へのアップグレードを行います。
是非、最後までお付き合いください。


最後に

当社製のハードウェアをご購入の際にWindows10、Windows11を仮想マシンとして動作可能なProxmoxVEのインストールサービスを承っております。

ProxmoxVEではVMwareESXiからもWindows10の移行を簡単に行う事が可能です。
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Windows10仮想マシンをWindows11仮想マシンにアップグレード (6)

はじめに

前回の第5回から続き、第6回目は手順6をご紹介します。

前回は既存ディスクから新規ターゲットディスクにWindowsのプライマリ領域をクローンしました。
今回の手順では新規ターゲットディスクのEFIシステムパーティションにWindowsのブートローダーをインストールしUEFIブートが可能な状態にします。

手順1:仮想マシンに Windowsの移行先の新規ターゲットディスク追加、パーティション作成
手順2: ソースディスク(既存のディスク)のプライマリパーティションのNTFS整合性チェック
手順3: 仮想マシンにTPMデバイスの追加
手順4: 仮想マシンにEFIディスクの追加
手順5: gpartedによる既存ディスクのプライマリパーティションをターゲットディスクにクローン
手順6: ターゲットディスクのプライマリパーティションのブート構成をEFIシステムパーティションに作成
手順7: ターゲットディスクからWindows10をUEFIブートで起動しディスクの管理からプライマリ領域の拡張を実行
手順8: Windows 11 インストール アシスタントを使用してアップグレード

手順6: ターゲットディスクのプライマリパーティションのブート構成をEFIシステムパーティションに作成

一旦、元々の既存ディスクからWindowsを起動して、diskpartおよびコマンドプロンプトで新規ターゲットディスクのブートローダーの設定を行います。

仮想マシンのブート順を編集します。既存ディスクのscsi0 100GBディスクが一番になるように設定します。

仮想マシンを起動します。仮想マシンを起動するとscsi0のWindows10が起動します。
なお、この時点ではもともとの既存ディスクから起動しただけなのでまだlegacy bootでMBRパーティションのWindows10が起動します。

Windows10上のmsinfo32の画面

ディスクの管理を確認します。

ディスク0が新規ターゲットディスクでその中のDドライブがクローンしたWindowsのプライマリパーティションという形になります。

このDドライブのWindowsプライマリパーティションを起動させるためのブートローダーをディスク0先頭のEFIシステムパーティションにインストール/構成する必要があります。

Windows10上のディスクの管理の画面

ここからEFIシステムパーティションにブートローダを設定する作業に入ります。

まずはコマンドプロンプトを開きます。

diskpartを実行しlist diskでディスクのインデックスを確認します。

新規ターゲットディスク(ディスク0)を選択してlist partitionでパーティション構成を確認します。

EFIシステムパーティションであるpartition 1を選択してドライブレターTをアサインします。(ドライブレターは重複していなければなんでも良いです。今回は重複しにくくターゲットのTと意味があるようなレターとしました。)
アサインされたらdiskpartを終了します。

引き続きコマンドプロンプトで下記のコマンドを実行します。

bcdboot D:\Windows /s T: /f UEFI

これでディスク0の先頭のEFIシステムパーティションにディスク0のWindows10のプライマリパーティションのブート情報が作成されました。

ここまでくれば後は新規ターゲットディスクのGPTパーティション中のWindows10をSecure boot有効状態でUEFIブートする事が可能です。

次回はついに新規ターゲットディスクからWindowsを起動します。


最後に

当社製のハードウェアをご購入の際にWindows10、Windows11を仮想マシンとして動作可能なProxmoxVEのインストールサービスを承っております。

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Windows10仮想マシンをWindows11仮想マシンにアップグレード (5)

はじめに

前回の第4回から続き、手順5をご紹介します。
手順5では既存の100GBソースディスクから手順1で用意した200GBのターゲットディスクの空き領域にWindowsのプライマリ領域のみをクローンします。

手順1:仮想マシンに Windowsの移行先の新規ターゲットディスク追加、パーティション作成
手順2: ソースディスク(既存のディスク)のプライマリパーティションのNTFS整合性チェック
手順3: 仮想マシンにTPMデバイスの追加
手順4: 仮想マシンにEFIディスクの追加
手順5: gpartedによる既存ディスクのプライマリパーティションをターゲットディスクにクローン
手順6: ターゲットディスクのプライマリパーティションのブート構成をEFIシステムパーティションに作成
手順7: ターゲットディスクからWindows10をUEFIブートで起動しディスクの管理からプライマリ領域の拡張を実行
手順8: Windows 11 インストール アシスタントを使用してアップグレード

パーティションのクローンにはGparted LiveというLinuxディストリビューションのツールを用います。グラフィカルユーザーインターフェイスを備えていますのでマウス操作でパーティションのクローンが完結できますのでLinuxになじみがない方でも操作がしやすいです。(後程詳細に説明があります。)

Gparted Liveイメージ図

手順5: gpartedによる既存ディスクのプライマリパーティションをターゲットディスクにクローン

準備1:GParted LiveのISOファイルをダウンロード

Windowsのプライマリ領域のクローンには先述のGParted Liveという、x86ベースのコンピュータ向けの小型の起動可能なGNU/Linuxディストリビューションを使用します。Gparted liveはGNU General Public License version 2の下で配布されているオープンソースソフトウェアです。

普段ProxmoxVEの管理WEBページにアクセスするPCにて下記の公式ページからGParted Liveのisoファイルをダウンロードします。
https://gparted.org/livecd.php
※当社での検証時にはgparted-live-1.7.0-1-amd64.isoをダウンロードして使用しました。

準備2:ProxmoxVEにGparted Live ISOファイルをアップロード

ProxmoxVEのweb管理画面を開いて、左カラムにて「ストレージ名(画像ではcephfs(pve03))」を選択し、隣のカラムの「ISOイメージ」を選択し、アップロードボタンを押します。

アップロードウィンドウが表示されたら、ファイルを選択ボタンを押し、先ほどダウンロードしたISOファイルを選択します。ファイル名が合っていることを確認して、アップロードボタンを押します。

アップロードが完了したらISOイメージの中にGParted Liveのファイルがあるか確認します。

準備3:仮想マシンにGparted Live ISOファイルをマウント

仮想マシンを選択し、ハードウェア→追加→CD/DVDドライブと選択します。

追加: CD/DVD Driveウィンドウが表示されたら、バス/デバイス とストレージとISOイメージを選択して追加ボタンを押します。バス番号とデバイス番号(IDE 2)を覚えておいてください。

準備4:仮想マシンのブート順を編集

CDドライブのGparted Liveが起動するように仮想マシンのブート順を編集。

ide2を1番にして有効にチェックを入れる。

ブート対象デバイスがide2のみになりました。これで次の仮想マシンの起動時にはマウントされているGparted Liveが起動してきます。

準備5:仮想マシン Gpartedを起動

Gpartedのbootメニューが表示されたらDefault Settingsで起動します。お好みで起動いただいて構いませんが本検証では日本語環境のグラフィカルユーザーインターフェイス設定で起動しました。

ここまでの準備を経て、クローン作業を始められます。

作業1:ディスクの確認

GpartedはLinuxディストリビューションですのでブロックデバイスは/dev/sdaや/dev/sdbという形で表示されます。今回の検証ではディスクのサイズが異なるのでどちらがソースディスクでどちらがターゲットディスクか見分けがつきますが、同じディスクサイズの場合、見分けがつきにくいです。ディスクの中のパーティション構成を見極めて/dev/sdaや/dev/sdbがそれぞれがどの仮想ディスクを示しているかを慎重に確認して取り間違いに注意して作業を進めます。

当社の環境では下記のように認識されていました。

/dev/sda(既存ディスク、ソースディスク)

赤枠で囲った部分が99.40GBのWindowsプライマリパーティションです。このパーティションがクローンのソース元(コピペ元)となります。

/dev/sdb(新ディスク、ターゲットディスク)

赤枠で囲った部分が199.62GiB分の未割り当て領域です。ここがクローンのターゲット先(コピペ先)となります。

作業2:ソースディスクのWindowsのプライマリ領域(/dev/sda2)をターゲットディスクにクローン

ソースディスクのWindowsのプライマリ領域(/dev/sda2)の上で右クリックをしてメニューを開きCopyを選択します。

ターゲットディスクの未割り当て領域の上で右クリックしてPasteを選択します。(普通のコピペと同等の操作です。)

サイズは後程調整するのでこの時点では特に変更せずにPasteボタンを押してOKです。

コピー&ペースト操作で/dev/sdbに「Copy of /dev/sda2」が作成されることを確認したら緑のレ点ボタンを押してすべての操作を適用します。

ここまでの操作にてコピー元の対象やペースト先の対象を間違えているとデータを失う場合があります。今一度、慎重に確認してください。

確認出来たらApplyを押します。

パーティションのコピーが開始されます。しばらく待ちます。100GBで8分程度でした。

完了したらこのように画面表示されます。

クローン後は200GBのターゲットディスクはこのようなパーティション構成となります。

– 先頭からEFIシステムパーティション
– 2番目がMSRパーティション
– 3番目がプライマリパーティション
– 残りが未割り当て

このパーティションの並びはMicrosoftが説明しているUEFIレイアウトパーティションとはまだ若干異なりますがこの後に続く各操作によって最終的にはMicrosoftの説明と同じパーティションの並びとなります。

Gpartedでの操作はこれで終了します。

右上ボタンを押してウインドウを終了します。

EXITアイコンをダブルクリックします。

shutdownを選んでOKボタンを押します。

手順5は以上です。次回に続きます。


最後に

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Windows10仮想マシンをWindows11仮想マシンにアップグレード (4)

はじめに

今回は第3回に引き続き具体的な手順のご紹介となります。今回は手順3~4の仮想マシンのハードウェア構成変更をご紹介します。

手順1:仮想マシンに Windowsの移行先の新規ターゲットディスク追加、パーティション作成
手順2: ソースディスク(既存のディスク)のプライマリパーティションのNTFS整合性チェック
手順3: 仮想マシンにTPMデバイスの追加
手順4: 仮想マシンにEFIディスクの追加
手順5: gpartedによる既存ディスクのプライマリパーティションをターゲットディスクにクローン
手順6: ターゲットディスクのプライマリパーティションのブート構成をEFIシステムパーティションに作成
手順7: ターゲットディスクからWindows10をUEFIブートで起動しディスクの管理からプライマリ領域の拡張を実行
手順8: Windows 11 インストール アシスタントを使用してアップグレード

手順3: 仮想マシンにTPMデバイスの追加

設定前

仮想マシンWindows10上のTPMの認識状況です。Powershell上でGet-TPMと実行すると確認できます。
TPM PresentがFalseとなっています。

設定

ProxmoxVEのWeb管理画面から対象のVMのハードウェア設定に進み、追加から「TPMの状態」を選択します。

追加:TPMの状態というウインドウが表示されるのでTPMストレージバージョンを選択して追加ボタンを押します。
ストレージは仮想マシンのディスクイメージを配置しているストレージと同じ場所が良いと思います。(当社の検証環境ではpool01がディスクイメージのストレージでした)

設定後

仮想マシンを一旦シャットダウンします。(シャットダウンしないとハードウェア構成の変更が反映されません。)
再び仮想マシンを起動させた後にPowershellで確認すると仮想マシンにTPMデバイスが認識されました。

手順2: 仮想マシンにEFIディスクの追加

設定

ProxmoxVEのWeb管理画面から対象のVMのハードウェア設定に進み、追加から「EFIディスク」を選択します。

EFIストレージを選択します。EFIストレージは仮想マシンのディスクイメージを配置しているストレージを選択しOKを押します。

仮想マシンを一旦シャットダウンします。(シャットダウンしないとハードウェア構成の変更が反映されません。)

手順3~4は以上です。次回に続きます。


当社製のハードウェアをご購入の際にWindows10、Windows11を仮想マシンとして動作可能なProxmoxVEのインストールサービスを承っております。

ProxmoxVEではVMwareESXiからもWindows10の移行を簡単に行う事が可能です。
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